俳句の訓練の中で最も大切なのは「句材のとらえ方」です。つまりこれは感性です。

その次に大事なのが、その一句を仕立てるために、いかに上手に季語を組み合わせるかということになります。的確な季語を使うためには、季語の本質を理解する必要があるのですが、これが簡単そうで実は難しいのです。つまりそれは理屈や知識で理解することではなく、直感的な感覚として身体に覚え込ますことが大切なのです。

たまたま夏の時期の吟行で蝶に出会ったから「夏の蝶」と詠んだり、春の季節に鴨と出会ったから「春の鴨」と詠むというのは大間違いです。 歳時記を繰って説明をよく読み例句を見て下さい。春の蝶と夏の蝶とでは雰囲気が全く違うということ、春の鴨というのは渡り遅れた残り鴨であったり餌場に居着いてしまった通し鴨のことで、冬季に陣をなして進んだり群れをなして浮寝をしたりしている鴨とは醸しだす情緒が異なることを理解しなければいけません。

こうして季語の本質に目が向くようになってくると、必ず作風が変わってきます。多くの例句からこれを学ぶことが最も効果的です。